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農家収益向上効果の算出
-実証項目達成目標-
①たい肥散布による土壌物理性の改善と化学肥料減肥による資材費削減、化学肥料可変散布による収量・品質の改善等の効果によって農家収益(売上)向上5%

②たい肥散布に要するコストや作物・土壌計測・診断コストに対して、化学肥料減肥による資材費削減、たい肥や追肥散布作業の省力化による労働費削減、収量・品質の改善による収益増加等で補うことにより、経営収支(利益)向上5%
-目標に対する現在の達成状況 2023年度-
・実証項目1・2より、生産者の収益向上効果について試算した。

・本年度については、追肥作業時期でのUAVの導入が間に合わなかったため、追肥散布での資材削減は含まない。

・たい肥散布については、北海道大学指導のもと全層散布を行うこととした。

・各作物における利益については、慣行と比べ、水稲移植で1.3%減(-360円/10a)、水稲直播では、7.8%減(-3,418円/10a)、玉ねぎは1.1%減(-3,508円/10a)、秋まき小麦が19.6%減(-4,151円/10a)、大豆については6.6%減(-3,768円/10a)となった。
表1 水稲移植
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表2 水稲直播
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表3 玉ねぎ
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表4 秋まき小麦
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表5 大豆
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-次年度の計画案-
・本年度は、UAVによる可変施肥が実施できなかったため、労働費、資材費の削減、品質・収量の向上による実証結果を示すことが出来なかった。
・次年度については、施肥マップによる可変施肥を実施し、効果検証を行う。
-目標に対する現在の達成状況 2024年度-

・令和6年度実証による収量・品質の改善について、西谷内農場の大豆にて10.7%の増収となり目標を達成した。玉ねぎで1.2%の増収となったが目標には至っていない。その他の作物については慣行と比べ減収となり目標達成には至らなかった。

・西谷内農場の秋小麦については、コンバインの作業突合により収量コンバインを利用できなかったため、平均収量のみの結果となる。

表令和 6 年度生産者作物別収量・品質(水稲は坪刈調査による精玄米重(水分 15%補正))
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・収量変化、化学肥料の削減と堆肥購入、散布委託費、可変マップ利用から改善額を算出し、R6 年度収量と R5 年度経営データでの試算を行った。

・(改善額)=(収量・品質向上額)-(堆肥購入価格)-(委託費)+(化学肥料減量額)-(可変施肥マップ利用料)

・慣行と比べ、 西谷内農場の大豆(14.0%増加)で目標を達成した。水稲移植:-16.1%、水稲直播:-27.3%、水稲直播(飼料米) :-16.2%、玉ねぎ: 1.6%、小麦: 平均-28.3%、大豆(齊藤農場) :-20.1%となり、目標達成には至らなかった。

・収量変化、化学肥料の削減効果による収益では、現状の堆肥投入費用を賄うことが出来なかったためと考えられる。

・肥料削減、収量向上の目標を達成し、堆肥散布委託料金(3,681 円)場合の試算では、水稲移植、玉ねぎ、大豆、秋小麦(西谷内農場、池田農園)で目標を達成できる見込みとなる。

図 令和 6 年度生産者作物別利益変化
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表 令和 6 年度生産者、作物別 10a あたり経営収支(利益)
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西谷内農場 水稲直播(収量は坪刈調査結果の精玄米重(水分 15%補正)を利用)

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西谷内農場 秋小麦

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西谷内農場 大豆

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齊藤農場 水稲移植(収量は坪刈調査結果の精玄米重(水分 15%補正)を利用)

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齊藤農場 秋小麦

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齊藤農場 大豆

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池田農園 水稲直播(飼料用) (収量は坪刈調査結果の精玄米重(水分 15%補正)を利用)

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池田農園 秋小麦

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池田農園 玉ねぎ

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-次年度の計画案-

・化学肥料削減量と収量向上で目標達成に至らなかったことから、継続した堆肥投入の実施を行うことで、土壌の改善とともに収量向上が期待できる。また、実証結果と生産者の意見から堆肥投入量を増やし、基肥を下限の化学肥料施肥量とすることで、さらに化学肥料の削減が可能と考える。

・堆肥散布作業委託費については、JA いわみざわを主体とした地域運営体制の構築により、作業面積の拡大による費用軽減を検討する。

・将来的には、堆肥散布による土壌炭素貯蓄、ガイダンス・自動操舵利用による走行ラインの減少、ドローン散布実施での電化などによって温室効果ガス排出量を減らし、排出権取引での収入増についても検討をする。

・また、みどりの食料システム戦略の「化学肥料の使用量低減に向けた取組」(2030 年目標:化学肥料使用量を 20%低減)でのドローンによるピンポイント施肥、有機農業の拡大といった取組への技術普及に資することが期待できる。

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